(帰り道、大通りの脇にクレープ屋のワゴンが停まっている。バレンタインデーのせいかカップルが多く並んでおり、ホットチョコレートが売られていた)
(眺めていると、あなたの隣で車道側を歩く爆豪も同じ方向を見やる)
は?アレくっそ甘ぇやつじゃねぇか……喉焼けねぇのか……?
(げんなりした顔の爆豪を引っ張ってワゴンまで行き、自分用にひとつ買ってみた)
よくそんなんぐいぐい飲めるな……
(肌に刺さるようなビル風吹く街中、湯気の立つホットチョコレートをひと口含み、ゆっくりと嚥下する)
(独特の甘いミルクの風味が鼻に抜け、喉の奥がじんわりと焼ける感覚が身体の内側から温めてくれる)
(優しいチョコレート味に舌鼓を打っていると、爆豪があなたの手元をじっと見ていることに気がついた)
貸せ。
(言葉と同時にコップを持つあなたの手ごと掴み、そのままひと口飲んだ)
っく…!…甘え………
は?コップ一杯もいらねぇよ。
ひと口で充分だわ。
甘ったるくて…テメェみてぇなお子様にゃぴったりなんじゃねぇのか?
おら、飲んだらさっさと帰るぞ。いつまでも寒い思いなんかしたくねぇぞ俺は。
(そう言って、ホットチョコレートにより少しだけ温まったあなたの手を握った)
(寒い、と言う割には、爆豪の手は個性が出ていないのが不思議なくらいに汗ばんでいた)
……間接キス………間接キス…………!!
V一緒にホットチョコレート飲もー!