疲れた……


(そんなに嫌だったの？)


見たこともねぇ人間にベタベタ触られんのが苦痛でしかなかったんだよ。

このすずも奪おうとしやがるし…

もう二度と行かねぇからな！


(怒っているようだが、毛並みがふわふわなので全く怖くない)

(よかったね、こんな可愛くしてもらって)


クソが……あの人間…見りゃわかるだろ！！俺はオスだわ！！！なんでこんなもん着けられなきゃなんねぇんだ！！！！！

(ぺちーーーん)


(ブリーダーさんが着けてくれたらしいオレンジのリボン型ヘアピンを外し、勢いよく地面に叩きつけた)



ハァ…次からはテメェがやれよ。いつもやってんだろ、ブラッシング。

あれで充分だわ。どうせバトったら汚れんだろ。いちいち洗われんのはめんどくせぇ。



……………ん。


(あなたの二の腕にぐいぐいと頭を擦りつけてきた)



褒めろや。

俺イイコにしてたろ？暴れはしたが、こうげきはしてねぇぞ。


おら、撫でろ。褒め讃えろ俺を。


(その日は眠るまでずっとあなたにピッタリ寄り添って、時折体を擦りつけてきた)


(よく頑張ったね、カツキ。)