何してんだ?

ずぶ濡れじゃねぇか…テメェ傘は?


(傘を持った爆豪が通りかかった)
(あなたの姿を見つけると、屋根に入ってくる)


は?…無ぇ?

折り畳みぐらいカバンに入れとけや…

チッ…家どこだ?電車だよな?

……………。

わかった。行くぞ。


(話しながら上着を脱いで、肩にかけてくれた。自宅の最寄り駅を告げると、少し考えてからあなたを傘の中に引き入れ、爆豪が歩き出したのは駅とは逆の方向)

(待って爆豪くん、駅はこっちじゃないよ!)


あ?知っとるわ。

そこだと駅からまだ歩くんだろ。

うちの方が近ぇ。

いくらテメェがバカだっつっても、そんな身体冷やしてちゃ流石に風邪ひくだろ。

そうなっても面倒だから一旦俺ん家行くぞ。

………………傘狭ぇんだからそんな離れんな。俺が濡れるだろうが。


(逞しい腕に肩を抱き寄せられ、距離がぐっと近くなる)

(雨で濡れたあなたの肌に、爆豪の微かな体温が心地よかった)


雨宿り2