(少し前を歩く爆豪の、ゴツゴツした男らしい手)
(いつもは腰パンのポケットに仕舞われているその手がとても優しく温かいことを、あなたはよく知っている)
(触れてみたくて握ろうと手を伸ばすが、あと10cmの勇気が出ず、諦めて下ろそうとした)
………………。
(ガッ)
(ぐいっ)
(引っ込めようとした手が掴まれる)
(そのまま引っ張られ、強制的に爆豪の隣へ)
……………諦めるくらいなら最初っからすんな。やるなら最後までやれや。無駄に期待させんな
(あなたの方をちらりとも見ずにそう吐き捨てた爆豪の耳は、真っ赤に染まっていた)
手を繋ごうとしてやっぱりやめる