(もうすぐ7月7日、七夕だ)
(ヒーロー科にそんなイベントを楽しむ余裕など無いが、気休め程度にとオールマイトが笹を提供してくれた)
芦「画用紙借りてきたよー!みんなで短冊書こ!!」
緑「わあ、懐かしい!幼稚園の頃に書いた以来だ。あの時はお願いごとがかっちゃんと被ってて、すごく怒られた記憶があるなぁ…」
尾「願い事か…いざとなるとあんまり思い浮かばないもんだね」
轟「そうか?うちは毎年書いてるぞ」
葉「ほんとにー!?流石は日本家屋だ!」
耳「それは関係ないと思う」
(流石に笹で喜ぶほど子どもではなくなってしまったが、やはり実物を目の前にするとテンションは上がるものだ)
(それぞれが思い思いの願い事を書く中、緑谷の言葉がふと耳に残った)
緑「? どうしたのその辺のさん?
幼稚園の時のかっちゃん?…ああ、そうなんだ。二人とも『オールマイトみたいなヒーローになる』って書いてたんだ。先生が飾ってくれたあとに気がついて、かっちゃんにはすごく怒られちゃったけど…
でも、今思えばあの頃のかっちゃんは可愛かったなぁ…最初はあんな感じじゃなかったのに」
(真実は残酷だ、とため息を吐く緑谷を尻目に、短冊を見つめながら考えを巡らせた)
(初期の爆豪…素直で可愛い爆豪……)
(是非に見たい!!!!!)
(…とは思うが、物理的に無理なことはわかっている。わかっている…が)
(特に書きたい願い事も思い浮かばないので、軽い気持ちでこう記した)
『初期の爆豪に会ってみたい』
(まあ、叶うわけもないだろう)
(既に数枚短冊の飾られた笹に、あなたも自分の願い事を飾った)
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