(じっと見ているあなたを不思議に思ったのか、男性から声を掛けられた)
(はっとしてエイジロウの元へ駆け寄る)
(すみません、うちの猫なんです)
「あんた…もしかして、裏通りのスーパーでよく猫缶買ってくお姉さんですか?」
(裏通りのスーパー…?)
「覚えられてないかな、俺、あのスーパーでレジのバイトしてるんですよ」
(確かに裏通りにあるスーパーは、表の大型スーパーより値段が安いので、人通りは少ないがよく利用する。そこでカツキたちへの猫缶を調達しているのだが…)
(……ああ!)
(見覚えのある顔だと思ったら、時々レジを担当してくれる男の子だったのか!)
(そうです!よく覚えてますね)
「いえ、お姉さんよく猫用品を買っていかれるので印象に残ってたというか。2点ずつ、ということは2匹飼いですか?
コイツの飼い主さんだったんですね…首輪もついてるし、よく毛並みも手入れされてて、大事にされてる飼い猫だとは思ってたんですけど」
(そう言って再びしゃがみ、足に身体を擦りつけるエイジロウの喉を擽る)
(そうです。うちにもう一匹。それじゃ、最近エイジロウが咥えてくる煮干しは…あなたがくれてたんですね。すみません、うちの子がご迷惑を…)
「いいえ、俺が勝手にやってることなんで。むしろこちらが感謝してますよ、癒して貰ってますし。
そうか、お前エイジロウっていうのか。
赤毛のトラ猫だから、勝手に『エビ』って呼んでました。」
(あなたを見上げ苦笑して、再びエイジロウに向き合う)
「首輪があるし飼われてるとは思ってたから、あんまりたくさんやるのは良くないと思って少なめにしてたのに…やっぱり何匹かは食べずに持って帰ってるんだな、お前。飼い主さんにか?いい子だな。」
(持ち帰った煮干しは全てカツキに献上しているようだったが…黙っておこう)
「長いこと相手して貰ってありがとうございました。
俺、心操人使っていいます。お姉さんは?」
(まさかこちらに焦点が当たるとは思わず、吃ってしまう。)
(まともに顔を見ると、寝不足なのか隈があるが綺麗な顔をしている)
(ええと…その辺のモブです)
心「その辺のさんですね、会えてよかった。俺、バイト帰りによくここに猫に会いに来てるんで。今度はもう一匹にも会ってみたいな。」
(最後にエイジロウを一撫でするとそれじゃ、と行ってしまった)
(猫仲間ができた!)
②猫仲間2