名前:世名

迷い込み24度目の夜

また来るね






(まるで大自然を湛えたかのような美しい髪)


(宝石のような輝きと稀有な性質を持った両の瞳)


(そして陶器のような白肌に、淡い桜色の唇、耳触りの善い声色に人形のように長い手足を携え)


(この世の全ての美しいものだけを詰め込んでつくられたかのような、彼とは正反対に)



(全てを奪われ、灰に帰したかのような煤けた色しか持たない私を見て)


(『──私、雪が大好きなの』)


(そう言って微笑んで、まるで全てを優しく包み込む雪原の色のようだと)


(とても美しいと、そう言って、お側においてくださった)



(そんな貴女を──……貴女を、)






















────これは、罰だ。






















(守ることが出来なかった、私への)

colors.