ぁ、う、ぁ、あのっ!
(……!)
〈こちらの世界へ来て、いつも通り世名の家へと向かっていると、突然後ろから声をかけられた〉
(ブランシュ!こんばんは)
ぁ、こ、こここん、ばん、ゎ、ごご、ごめんなさぃ、いい、ぃき、なり……
(ううん、声掛けてくれて嬉しいよ。どうしたの?)
ぅ、あ、ぇ、えぇと、ぁあああの、これっ!!!
〈そう言って彼は、両手で抱えていた沢山の葡萄を差し出してきた〉
ぁ、の、これ、ぃいいいっぱぃ、も、もら、て、だ、だから、あの、あなたに、あ、あげ、たくて……
あ、あと、かっ、かか彼、にも……
〈どうやらブランシュはあなたと世名に葡萄のお裾分けを渡したかったみたいだ〉
(嬉しい!ありがとうブランシュ)
〈せっかくだから3人で食べよう、と葡萄を抱えたブランシュを誘って、一緒に世名の家へと向かった〉
〈玄関を開けて出迎えてくれた世名は驚いていたけれど、冷たい紅茶をいれてもてなしてくれた〉
〈その後3人で一緒に、世名の淹れてくれた紅茶とブランシュがくれた葡萄をいただいた〉
〈見るからに立派で高級そうな紫の大きな葡萄は、びっくりするほどジューシーで、甘酸っぱくてとっても美味しかった〉
茹だる夏夜、色彩の珠