名前:世名

迷い込み24度目の夜

また来るね



駄目。

……ちょっと、こっち来て。


(世名に手を引かれてキッチンの奥の方へと連れてこられた)


(ちょうどブランシュがいる場所からは死角になって見えないであろう場所に壁を背に立たされる)

(世名の指先がふと頬に触れてきて、そのまま微かに つ、と輪郭をなぞるように降りたかと思うと離れていく)


(見上げると世名の表情はなにか思いつめるようで、思わず言葉を飲んでしまう)



……俺がいくら言っても、今のあんたにはわかって貰えないのかもしれないね

けど俺はこうやって忠告する事しか出来ないから


あいつだけじゃないよ
頼むからこの街で得体の知れないやつに遭遇したなら特に警戒心を持って
俺があんたの傍にいる時はそんなのに何もさせないし、話すなとも言わない


……けど、あんたのためにも必要以上にああいうのと距離を詰めるのは控えて欲しい

害がないように見せて油断させて、ってやつもここには山ほどいる

スキンシップはしなくても、コミュニケーションはとれるし会話は出来るはずでしょ?


──お願いだから、わかって欲しい



(そう言葉にした世名が俯く)

(長い前髪も相まって表情が見えづらくなってしまったけれど、それでも心配してくれていたのだということが痛いほど伝わってきて、胸が痛んだ)


♡友好の意味のハグなんだけど駄目?