(あれからどれほどの月日がたったのだろう。)


(真人からの電話は一切来なくなった。)


(真人に出会う前の生活に戻った。)


(今思うと自分はたくさん愛されていたのだと実感する。そろそろ恋人が欲しい。
寂しい気持ちになった。)


(そこで、今はやりのマッチングアプリに登録した。)




(幸運なことに、話しやすく気も合いそうな異性と繋がることができ、ついに会うことにまで発展してしまった)




(画像で送られた相手の顔は、イケメンとは言えないが清潔感のある、誠実そうな男性だった)





















(デート当日)




(待ち合わせ場所は、どこか見覚えのある場所。)


(・・・真人と、初めて出会った駅だ。)


(ここと指定された時は特になにも思わなかったが、今になって後悔する)


(もしかして、相手は真人なのではないか・・・と)



















・・・・・久しぶり。
ずっとずっとずっとずっとずっとずっと、


探してた。


もう逃がさないから。







(真人の手がこちらにむかって伸びた直後、視界が真っ暗になった。)
















・・・起きた?




(高級そうな部屋、高級そうなベッドの上で目が覚めた。)


(横から抱きしめられている。)





・・・・怒りを通り越して、今、君と出会えて物凄く幸せだ。

やっと、努力が報われたって感じだね。





俺ね、君に捨てられたことがすごく許せなくて、

辛くて、



いつか君を見返してやろうと思って。

死に物狂いで働いて、勉強して、資格とって。


なんと、大手企業に就職することが出来たんだ。




俺の人生、変えてくれてありがとう。

全部全部、君のおかげだよ。





君のこと、今でも愛してる。

でもね、

・・・・それ以上に、憎んでもいる。





俺の事捨てておいて、マッチングアプリ?


はは、ひどいよね。


自分のしたことわかってるの?




あの写真?ああ、あれは俺が雇ったんだよ、

あいつが君とマッチングできるように、君の好きなもの全部、あいつのプロフィールに盛り込んで。


俺の言うとおりに動いてくれて本当に助かったよ。




残念だったね?






もうあきらめなよ。


俺からは絶対、逃げられないよ?



地球上にいる限り、俺はどんな手を使ってでも、

君を必ず捕まえる。


お金ならたくさんある。


世の中、金ですべて動かせるんだよ。



ははは、そうだ。


君の家族の情報抜き取って、闇市場にでも売ってみようかなぁ?



・・・ん?嘘だって?



・・・・・俺は本気だよ。




母親の仕事先、○○会社 ○○部、

兄の仕事先は、確か、○○〇病院の・・・




ふふ、なんでも知ってるよ。



売られるのが嫌なら、

俺の言うこと聞いて?






ずっと俺の側にいろ。

俺から逃げるな。

・・・俺を、愛して。






どう?覚えやすいでしょ?


これが守れないなら、・・・・わかるよね?








やっぱり、愛してる。大好きだよ。


ふふ、泣かないで?可愛いなあ。









立場、前と逆になっちゃったね。


俺が君を愛してたように、君も俺を愛してよ。



上手にできたら、前の俺に戻ってあげるから。


ほら、頑張って?

























名前:真人

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話した言葉:戻らない