(ふと、後ろから抱き締められた。)


(かぎなれたにおい。)


(口臭おじさんはこちらの後ろをみるなり、怯えた顔で顔を背け、距離をとった。)



...遅くなってごめんね、怖かったね。


(耳元で真人の声が聞こえる)

(バイト中の真人がなぜここに、と思うが同時に一気に安心した。)


(次の駅まであと少し)


(今もなお寿司詰め状態だが、真人が他の人からガードしてくれているため、先程よりかは体は楽だ)


(そして駅に着き、真人と一緒におりた)


(ベンチに座り、一息する)



...災難だったね。怪我はない?気持ち悪いおっさんだったね。助けるのが遅くなってごめん。
駅前のチラシ配りしてたら、君をみかけて。
GPSも一応確認したけど、君だったから、心配になってあとをつけた。乗れた車両が隣だったから、君の近くに来るまで苦労した。
...電車にも厄介なやつがいる。これからは、俺が送り迎えするね。たまったお金で中古車でも買って。そうじゃないと心配で、仕事どころじゃなくなるから...


(そんな偶然あるのか、と思いながらチラシ配りの仕事は大丈夫なのか、と問うも、すでにすべて配り終えていた...仕事が早い。)


ね、そうしよう。もうすぐで仕事の面接があるから、そこに内定決まれば収入が増える。正社員だから、今よりもっと。

通勤時間も一緒にいたい。君をずっと守りたい。駄目かな。

(数少ない一人時間も、真人に埋められてしまうようだ。)


(だが、先程味わった恐怖体験に比べればましだと思い、了承した)



名前:真人

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話した言葉:心のなかで助けをもとめる