(ある日、仕事帰りにスーパーマーケットで買い物をしている真人をみかけた)

(端正な顔立ちでスラッと背が高く、周りの女性も真人に見惚れていた)


(野菜コーナーでふと野菜に手を伸ばす真人、その手に白く細い女性の手がぶつかる)


女『あっ...すみません!私、この野菜大好きなんですよ!だからあなたに気が付かなくて!っ...!!』

真人:いいですよ。別に。

(真人はさっと踵を返し、立ち去ろうとする)

(が、女性が手を掴み静止される)

女性『あ、あの...。ここらへんにすまれてる方、ですか?』

真人:そうですけど

女性『やっぱり!!何回もこのスーパーで見かけてて...!一人暮らしですか?料理とか自炊されてるんですね。私、一人暮し始めたばっかりで、料理も全然できなくて!よかったらおすすめの料理とか教えていただけないかな〜なんて!』

(無表情の真人とは裏腹に、興奮した様子で誘う女性。明るい茶色で緩やかなウェーブがかった髪、フリルが特徴的な短いスカート、極めつけに程よい胸の大きさに顔もかなり可愛い。もし、真人がこの人のところへ行ってしまったら...と思うと嫌な気持ちになった)


(これ以上ここにいるとしんどいと思い、家へ先に帰らせてもらった)



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ただいま。...早いね、もう帰ってたの?


(真人の顔がみれない、顔を背けてずっとテレビに集中する)


...ねえ、おかえりのキスは?
こっち、向いて。


(そんなことは日常的にしてない、と反論しようとするも、強制的にぐりん、と顔を向かせられる)


....何か怒ってる?


....考えても、何に怒ってるかわからないな。

お願い、言って?

君の為ならなんでも正すから。

(真人は不安げな表情で見つめる)

(先程の件を洗いざらい話し、どうなったのかを問い詰めた)



ああ、あの女のことか。

こっちが迷惑そうにしてるのに、何度も誘ってきて鬱陶しかったよ。

変にトラブルにはなりたくなかったから、適当にあしらって帰ってきた。

なんにもないよ?

(前からギュッと抱きしめられる)

(女性の香水がほのかに香り、反射的に真人のほおをぶってしまう)


...まだ、不安なの?

(真人はいきなり服を脱ぎ上半身裸になり、再度抱きしめる)

(服を脱ぐことによって香水の匂いが消え、真人の匂いが鼻孔をかすめる)

どう、消えた?

ああいう香水の匂いって、近くにいただけでもすぐうつるんだよね。...鬱陶しい。


俺は君しか興味無いんだ。信じて欲しい。
ねえ、君がいない時も、今だって、君のことしか考えられなくなってるんだよ、俺は...。


(真人の心臓の音が聞こえる。強く、早い鼓動。直で触れているせいか体温も熱く感じる)


はあ、すき、すき、すき。君が嫉妬してくれるのは嬉しいけど、それと引き換えに信頼を失うのは、すごく嫌だ。

いつも言ってるでしょ、愛してるって。

その一言に俺のどれだけの気持ちがつまってるかなんて、君にはわからないだろう。

この愛を証明するなら、俺はどんなことでもする。

ね、君が満足するまで証明してあげるから。

(抱きしめる力は強まるばかり。どうやら面倒くさいことになってしまったようだ)


名前:真人

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話した言葉:妬く