(ガチャン!)
(しくしく泣いていると急に玄関の鍵が開いて驚きの余り体が固まる。ギィィー…とドアが開けられる音まで聞こえて涙も引っ込んだ。
……誰?泥棒?
うちの鍵なんて自分以外だと先輩しか持っていないから誰かが勝手に入って来れるはずがない。それもこんな夜中に…絶対おかしい。
足音が近づいてきて恐怖で体が縮こまる。
頭が隠れるまで毛布を被り、震える手で枕元にあった携帯を握り締める。
何かあってもすぐに先輩に電話出来るようにしておかないと…何か起きてからじゃ遅いのかもしれないけど。
寝室のドアが開く音がした。侵入者はずかずかと遠慮なく部屋に入ってくる。
……そして、私のベッドの前で止まった。)
(先輩、先輩…!助けて…!)