準備出来た。
……どうする?本当に最後までしていいのか?
(バカなことを言う、と思った。
そんなの当たり前じゃないか。
ずっと片思いしてきたのだ。いや、片思いなのは今も変わらないけど……先輩は私のことを好きだと言ってくれた。
例えそれが部下としてでも、恋愛感情じゃなくたってもう構わない。
初めての相手は先輩がいい。先輩じゃなきゃ嫌だ。
「して下さい、お願いします」と答えると先輩は黙って頷き、私の腰を抱えた。
「挿れるぞ」と声をかけられてからゆっくりと挿入される。
指とは比べ物にならない太さのものが侵入してくる感覚に、一瞬息が出来なくなる。
痛いのもあるけど、それよりも圧迫感が物凄い。ハンパじゃない息苦しさ。
「ぐぅぅ…っ」と汚い声まで出る。苦しい苦しい苦しい。
全部入ったのかな?と思っていると「あと少しだから、ゆっくり息しろ」と言われた。
半分しか入ってなかった。絶望。
ヤケになって「ひっひっふー」とラマーズ法をする。それじゃ出産だ、って先輩のツッコミが入った。
中の侵入者が更に奥まで突き進んでくる。
ぴとり、と先端が子宮の入り口にくっついたのが何となく分かった。
痛みと苦しさに耐え切れず、先輩にしがみついて背中に爪を立てる。
先輩も中がキツいのか、顔をしかめてこめかみから汗を流している。
ようやく全部入ったらしい。先輩は動きを止めて私を抱き締めた。
お互いの汗ばんだ体が密着して暑いけど不思議と心地いい。
背中に回した腕の力を強くすると先輩にキスされた。)
……動いていいか?
(はい、と答えるともう一度口づけを落とされ、ゆっくりと出し入れを始めた。
痛いし苦しいし気持ち悪い。
相手が先輩じゃなかったらきっと今頃逃げ出してる。素っ裸で。
シーツを握り締めながら喘ぎ声を漏らす。
短いストロークで突かれ続けて、少しずつ痛みが和らいできた……ような気がする。
圧迫感には慣れないから苦しいのは苦しいけど。
目を閉じていたからだろう。気づかなかった。
不意にクリトリスを触られて体が跳ねた。
驚いて目を開ける。)
初めてだと中でイけないだろうから今日はこっちで、な。
(中を突き動かしながら陰核まで攻められたら堪ったものじゃない。
急に鋭い快感に襲われて背中が仰け反る。
さっきそこでイッたばかりなのだ。ただでさえ敏感になってるのにまた弄られるなんて、おかしくなってしまう。
勃起して大きくなった粒を指で挟みながら擦られて頭の中が真っ白になる。
もうアソコの痛みも薄れて、異物感も気にならない。ただ気持ちいい。
2回目の絶頂はすぐだった。
しつこいくらい擦られ続けて、1回目よりも大きな快感に呑まれながら腰を震わせる。
イッてる間は中が締まるのか、先輩は息を漏らして一度腰の動きを止めた。
でも私の絶頂が収まるとすぐにまた揺さぶり始める。)
っ、俺も、もう……!
(そう言ってラストスパートをかける。
額から汗が垂れ、私の胸元にポタッと落ちた。
先輩の快感に浸されている顔を見てお腹の辺りがキュンとする。い、色っぽすぎて直視出来ない…。
間もなくして、腰を打ちつけた先輩が低い呻き声を漏らして静止した。
俯きながら肩で息をしている。そしておもむろに顔の汗を手で拭い、張り付く前髪を鬱陶しそうに掻き上げた。
目が合ったけど、気恥ずかしくて顔を逸らしてしまう。)
(お、終わった……のかな?)