(先輩は無表情で私を見下ろしたまま、ぴくりとも動かない。怖い。
でも今はそれよりも、彼氏と通話が繋がった状態で他の男に組み敷かれているこの状況の方が遥かに恐ろしかった。
震える唇を噛み締めて狼狽えていると、スマホから「○○ちゃん?」という声が聞こえた。
……意を決して、口を開く。
「あ……××くん。ごめんね、こんな夜中に」
「ううん、大丈夫だよ。声が聞けて嬉しい。どうしたの?何かあった?」
優しい彼の声に涙が出る。
ごめんなさい、ごめんなさい、と心の中で謝罪する。あなたがいるのに他の男に股開いて、アンアン喘ぐような女でごめんなさい。
でも、気持ちいいの。
あなたとするセックスより、先輩に抱かれる方がずっとずっと気持ちがいいの。
先輩はさっきから微動だにしていないけど、降り切った子宮にぴったりと先端がくっついているだけで軽く絶頂しそうになる。
もっともっと気持ち良くしてほしい。頭がおかしくなるくらいイかせてもらいたい。
「××くん、あのね……私……私ね……」
ダメだ、その先がどうしても言えない。
こんなに優しい人を裏切るなんて出来ない。
もう一度謝って許してもらおうと、後ろにいる先輩を見た瞬間……、
「っひ、ぁ゛あああああ!?」
急に子宮の奥まで侵入されて、背骨がみしみし言うほど仰け反る。
じょわっ、と結合部に水のような感覚。軽く潮まで吹いてしまったらしい。
先輩は腰を押しつけたままその先を目指すようにぐりぐりと抉り続ける。
きもちいい。きもちいい。きもちいい。
こんなの、だめになっちゃう。
××くん、ごめんね。ごめんなさい。
「ど、どうしたの!?大丈夫!?」
彼の心配そうな声が耳に届くけど、もう何もかもどうでも良かった。
そんなことより今は……
「ふ、ぁああん♡きもひいい♡おまんこ、ごりごりされてきもちぃいよぉおぉ♡」
「○○ちゃん…?」
「もう、らめ♡別れて♡××くん、わたしと別れてぇ♡ごめんなしゃい♡ごめんにゃしゃいぃぃ♡」
「……どうし、たの……何が起きて……」
「もう会えないの♡しぇんぱいとするえっちのほうが気持ちいいの♡だからこれ以上電話してこないで♡連絡先も削除して♡
ふあぁっ♡あっ、あ、しぇんぱい♡ちゃんと言った♡言えたからもっとぉ♡もっと気持ち良くしてぇっ♡いっぱいイかせてくらしゃいぃぃっ♡」
そこから彼の声は聞こえなくなった。
私が喘いでいる途中で先輩が通話を切ったらしい。)

いい子だな。上手に言えて偉いぞ。
(先輩が私の頭を撫でて、耳元にキスをする。
もうその刺激だけで泣くほど感じてしまう。涙腺が崩壊したかのように涙が出て止まらない。
中のいいところをひっきりなしに叩かれ、軽い絶頂が何度も続く。イッてる間にまたイかされて、もう何が何だか分からない。
気絶しかけるとそのたびに勃起した乳首を少し強めに摘まれて強制的に起こされる。
気持ち良すぎて苦しい。
苦しいのに、まだ足りない。)
○○。俺よりもまだあの男が好きか?
(あの男……?
って、誰だっけ。覚えてない。でも覚えてないってことはそんなに大事な人じゃなかったんだよね。
先輩からの質問にふるふると首を横に振る。
「そんなひと知らない♡わたしが一番好きなのはしぇんぱい♡しぇんぱいだけがしゅきなのぉ♡」
うん、もう他の人なんてどうでもいいや。
先輩だけがいればいい。
だって先輩とのエッチが一番満足出来るから。
私は、私を気持ち良くさせてくれる人が好き。それでいいよね?
深い絶頂から戻れなくなり、最早声すら出せずにいる私に先輩は口づけを落とす。
酸欠になりながらのキスに死の片鱗が見えた気がした。)