彼氏とのセックスはどうだった?
(先輩は体重をかけながら腰を深く押し付けてくる。
快感で蕩けた脳では質問の意味が分からなくて、目線だけを横に動かす。
ぱん!と音を立てて肉をぶつけられ、喉の奥から嬌声が漏れる。)
俺以外の男に抱かれたんだろ。
気持ち良かったのかよ。
(指先一本動かせない体だ。問いかけに答えられるほどの力は残っていない。
浅く息をしながらベッドに伏せていたら「おい」と声をかけられ、再び腰を打ちつけられる。)
気持ち、良かった、のかって、聞いて、んだよ。
(言葉を切るごとに奥を突き上げてくる。
がっしりと腰を掴まれているから逃げることも出来ない。
あまりの快感に目の前がチカチカするけど、ちゃんと返事しなきゃ。これ以上やられたら死んじゃう。
「ぜんぜん、良くなかった、れす♡しぇんぱいとするえっちのほうが、きもちいいれしゅ♡」
回らない舌を必死に動かして答えると、律動が緩やかになった。
背後で「そうかよ」と短く呟いたのが聞こえる。
……あれ?先輩、どうして私のスマホ弄ってるんだろう。)
彼氏の名前は?
(そんなこと知ってどうするんだろう。
でも、どうでもいいや。気持ち良くて何にも考えられない。
私は正直に名前を伝えた。)
別れよう。もう二度と会いたくないから連絡先も削除して。
……これだけ言えたらもっと気持ち良くしてやる。
(先輩はスマホを操作し終えると、端末を私の顔の近くに置いた。
『プルル…』という音が聞こえる。なんだろう、これ。
「……もしもし?」
男の声。一気に血の気が引く。
この声は……この相手は……、
先輩は、私の彼氏に電話をかけていたのだ。)
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