足の踏み場もなく散らかった部屋に、季節を無視してどかりと座り込んでいるこたつ…
その卓上には、ツートンカラーのカプセル達が行儀よく並んだシートの束。
私はそれと一時間、正座で向かい合っていた。

「まだ」物言わぬそれは僅かな威圧感を放ちつつ、外のコーティングがまるでエナメルのパンプスのように艶めいていた。
この靴は私を素敵な場所へ連れて行ってくれるのだろうか
まだ私におしゃれなどをする機会が訪れるのだろうか?
何年と続けたこの生活に変化が起きたのは三時間前
それは突如やってきた。

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