「僕は補助として新しく配合されるようになった人格の黒だ。よろしく」

「…補助?」

男はいかにも人の良さそうな笑顔で手を差し出して来た。
しかし、そう簡単に信じられるはずもない。

白「ならなんでお前は先にいた?なんで私服なんだ。補助って何の効果だ?
俺の知識内にない情報だぞ…どういう事か説明しろ。」

黒「知識がないのは言っちゃえば君が、アップデートされてない端末みたいなものだからだよ。
でも今僕によってそれが成されたー
だからジャンクじゃないし、出て行く必要もない。」

白「…!」

それを聞いて、正直ホッとした自分がいた。
自分がジャンクだなんて、例え薬であっても認めたくないものだ。
他にも色々聞きたい事はあったが…
一つの人格を作り上げるのにどれほど高度な技術が必要か知っているからこそ、
万が一何かの物質が混ざってもそれが人格になるなんて、まず考えられない。

白「…一応後で患者越しにドクターに確認させてもらう。俺は白だ、よろしく。」

黒「あぁ、これから一緒に頑張ろう。」
 
二人…確かにそっちの方が負担を分散させられて都合がいい。
白と「黒」と名乗るその男は、互いに牽制しながらも握手を交わした。