艶やかな着物に身を包んだ無惨様の後ろをついて行っていると──やはりそこには下弦の鬼のみが集められていた。
女人に擬態した無惨様に何者だと問いたげな瞳を向けてくる鬼達に、無惨様の顔は瞬く間に怒りへ染まっていく。
今にも手を下しそうな無惨様の顔と鬼を交互に見比べていると、ふっと無惨様が表情を綻ばせた。
次に招集がかかった時は──分かるな?一様に頭を垂れた下弦の鬼を睥睨してそこを後にする無惨様の背中をまた追う。
無惨がいつになく、機嫌が良かった為に命拾いをした鬼達はほっと胸を撫で下ろし吹き出ていた汗を拭った。
おまけ