ケタケタ嗤う鬼から距離を置き、背を向けて走る。
今確かに自分の刀は目標の鬼の頸を跳ねたはずなのに、さも愉快と言うように鬼は絶命せず嘲笑している。
天と地の利どちらもこちらにとって、不利な状況。
頭を使って何とかこの場を凌ぐしかない。
(地の利……木の茂みを駆使して持久戦にもつれこむ!)
まだまだ時間はあるのだ、探りを入れつつ弱点が判明次第そこを狙えばいい。
耳障りな声に目掛けて一撃を見舞い、離脱する。
右手の指に生じた裂傷に布を巻き、天を仰ぐ。
五体満足であの人の元に帰れたらいいな。
炭治郎に会いたい