────背中が、痛い。とっても痛い。
呼吸する度に折れた骨と思わしき箇所がズキズキ痛んで、堪らず呻く。

鬼を倒す為、止む無く高所から地面に叩きつけられた。
地面とぶつかる間際に型を使って衝撃を緩和してもこの有様なのだ、何もせず落下していたら間違いなく即死だった。

(もうそろそろ、意識がなくなる……)

またあの人が心配するなぁと心配性な彼の後ろ姿を脳裏に浮かべながら目を閉じた。

まっさら世界(2)
記憶喪失になる