ぽかぽかと柔らかで暖かい日差しに目を細めながら店の暖簾をくぐる。
接客中の店主を横目に店内を見回していると、店内の一角に雑貨が置いてあるのに気が付き足を進めた。

金平糖を模した小さなそれを恐る恐る持ち上げて凝視する。
細部まで拘って作られているそれに思わず可愛いと声が漏れていた。
淡い桃色を見ていると何故か自然と禰豆子の顔が浮かんできて、気が付くと私は支払いを終えて店の外に出てきていた。
喜んでもらえると良いけど……。そんな一抹の不安を抱きながら鎹鴉に荷物を託し、止めていた足を踏み出した。

禰豆子への贈り物2
禰豆子への贈り物