(よろしくお願いします!)

いつになく表情の固い義勇さんに疑問を抱きながら足を進める。

──骨を折っているだろう。

(たかだか数本ですから大丈夫です。足でまといになるようなら、遠慮なく置いていって下さい)

いつから己の限界を自覚出来ぬようになった。
鬼に自ら体を差し出しているようなものだと、何故気付かない。
……自己管理も出来ない者とは任務に当たらない。


音もなく姿を消した義勇さんを追う為、力を入れたはずの足が動かない。
ぐるぐる回り暗転していく視界の中で、確かに義勇さんの嘆息を聞いた。
痛みに鈍くなる