(堪えていた涙がいよいよ頬を伝い落ちていく。
人前、ましてや義勇さんの前なのにと必死に涙を拭えど全く意味を成さない)

……俺は何も見てもいなければ聞いていない。

(背中越しに掛けた声も既に鼻声だ。
だというのにこの人は全く知らぬという風を装っている)

これを使え

懐から出した手ぬぐいをすっと後ろに差し出してくるその優しさにまた目頭が熱くなった。
泣きそう