(鋭い一撃が体を刺し貫いた。
内蔵のどこかを貫通したのか、立っているのも辛い。
喉奥から込み上げてくるそれを吐き出すと地面が真っ赤に染まった。
鎹鴉はもう飛ばしてあるから時間が経てば、誰か来てくれるだろう。

しかし、それまでこいつは待っていてくれるだろうか?)

例え、相討ちになろうと……禍根は残さない。

(呼吸による止血もいよいよ間に合わなくなってきた。
次の一撃が、きっと最期になる)

──貴方に幸あれ。
鍔鳴りの音、倒れる鬼の体と転がる頸。
それを視認し崩れ落ちる体。

訃報(2)
死ぬ