──ごめん、これから暫く会えないんだ。

それを聞いた炭治郎は首を傾け、少し不安そうな顔になった。

随分急だな。
もしかして今回顔を見せてくれたのは、それを言うためか?


(うん。いつ帰ってこられるか分からないから、炭治郎の顔を目に焼き付けておこうと思って。それじゃあ)


遠のいていく小さな背と〇〇が残した言葉に不安を感じ取りながら引き止めなかったのは彼女を信じたかったから。

宙をさ迷う、収まりの悪い手を引っ込めた炭治郎が頭を上げると既に〇〇の姿は見えなくなっていた。
暫く会えない