カア……と鳴いて姿を現した鴉に結び付けられた文を取った義勇が固まる。
普段あまり見ない表情で固まってしまったものだから、傍に居たしのぶは不思議そうに首を傾げて義勇を凝視している。

これを〇〇へ。……頼むぞ。


彼女なりに何か区切りをつけたいのかもしれない。
ならばその仔細を聞きたて、引き留めるのは良くないだろう。
遠くなる影を見送った義勇は再び〇〇の笑顔が見られるよう願いながら、止めていた足を動かす。

(冨岡さんがその場で返事を書くだなんて……帰ってきたら〇〇さんから話を伺っちゃいましょうか)
旅に出ます、探さないで下さい。