可哀想に。随分と深い傷を負ってしまったね。

(誰のせいで……!)

君が僕のお嫁さんになるって素直に頷いていれば、こいつはこんな目に遭わず済んだのに?

言葉が詰まる。
私が首を縦に振っていれば、炭治郎はこうならずに済んだ……?

もう一度だけ聞くよ。僕のお嫁さんになってくれるよね?

指先で弄ぶ白い糸は、いつでも炭治郎の首を裂けると暗に言っている。
今にも叫びだしたい気持ちを堪えて握り拳を膝の上で作り、はい。と頷く。

累は〇〇の言葉に柔和な表情を浮かべると、糸を使って彼女を引き寄せる。
欲しかったものが漸く手に入った幸福感に口元を緩めながら。

(きっと誰かが助けに来てくれる…それまでの辛抱だ…)
鬼嫁化する ※鬼嫁になりきれてない
掴んだ手は白磁色