〇〇と別れてから随分長い時間が経過した。
頼りがないのは良い頼りという言葉があるらしいが、あまりにも長い期間音沙汰がないとどうしても不安になってくる。
そんなある日、〇〇の鎹鴉が自身の元に飛んできた。
足に結び付けられていた紙を取り外すと慌ただしくその場を飛び去ってしまったので、不安な気持ちは強まったが可愛らしい色合いの紙を見て"そういう報せ"ではないだろうと言い聞かせ折り畳まれた文を開く。
俺の体を気遣い案じる文面から始まり、次に任務の途中報告が綴られていた。
目的地に着くまで約一日を要し、それから聞き込みをしているが中々尻尾が掴めず苦労している。
これ以上犠牲者を出さない為に明日から更に励みたい……で最後は締められていた。
〇〇の鴉も早々に帰ってしまったし、無理をしていないと良いんだけどな。
手紙に添えられた真っ赤な楓の葉と「炭治郎の瞳と同じ綺麗な赤色でしょう」という言葉。
まずは感謝の気持ちを伝えよう。
筆を走らせる炭治郎の顔を灯篭の柔らかな光が照らしていた。
手紙を送る