随分とすばしっこく、身軽な鬼だ。
鬼にしては珍しく積極的にこちらを攻撃してこないのは有り難いけれど、隊員以外の者を襲わないとは言いきれない!
このままのんびり鬼事をしている時間も、猶予も、こちらにはない。
(炭治郎、私をあの鬼の近くまで投げ飛ばせないかな!?)
〇〇を?……分かった、やってみよう!刀を収めた炭治郎が腰を下ろし、両手で足場を作る。
片足を炭治郎が作った足場にかけ、全力で踏ん張る。
米粒ほどに小さくなっていた鬼は完全に安心していたのだろう。木の影に居る異形の者目掛け、刀を振り下ろした──!!
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