〇〇が言ってるその鬼を、俺は知っているしきっとこの手で倒してる。

俺の師である鱗滝さんがあと一歩の所まで追い詰めた鬼なんだ。
その鬼が鱗滝さんに強い恨みを持っていてだな……最終選別が行われる山に逃げ込んでから鱗滝さんから送り出された子を狙って食べていた。

────ごめん忘れてくれ。


善哉が入った椀に口をつけた炭治郎の目が、それ以上詮索してくれるなと言っている気がしてぐっと押し止まる。
俺もみたらし団子にすれば良かったかなぁ。と漏らす炭治郎に口をつけていない団子を差し出すと大層感謝されながら団子を頬張っていた。

(餌付けかな?)
忘れもしない、その鬼を。