(あれ、また義勇さんから?)
先日見送ったばかりの鴉が再び姿を見せた事に少し驚きながら頭を撫でる。
カアと鳴いて先日私が贈ったばかりの装飾を自慢するように胸を張る鴉に気に入った?と聞けば、肯定するように嘴を寄せてきた……可愛い。
(いつもありがとう。今回は手紙以外にも荷物を預かってきてくれたんだね)
鬼と遭遇するのは鬼殺隊に入っている以上避けられないが、最近強い鬼の目に止まり気に入られるのが多過ぎる。
そういった近況を前の文で少しだけ吐き出してしまっただけに返信が気になる……。
文の内容は簡潔極まりない十二分に気を付けろ。何かあれば遠慮はするな。の一言で、鴉が持っていた荷物の封を開く。
(藤の花の匂いがするお守りと、御守り?)
義勇、〇〇心配シテル……ソレハ身代ワリ……。
いつもの定位置に腰を下ろした鴉の頭を撫でながら、鴉の言葉と照らし合わせ御守りと書かれた藍色のお守りを握りしめる。
(この御守りの色、義勇さんの瞳と同じだね。何だか嬉しい)
後でお礼の文を飛ばさなくては。
目を閉じて口下手な青年の姿を思い浮かべた。
届けられたお守り