……やっぱり寝ちゃったか。
必死に起きて、俺の話を聞こうとしてくれてたのは嬉しいけどそこまで無理はして欲しくないし掛け布団を──。


(……じ、ろ。炭治郎……)

掛け布団を取りに行こうと足に入れた力がみるみる霧散していく。
聞き間違いかな?と思いながら、〇〇を見やるともう一度彼女は俺の名を呼んだ。

……俺は居るよ。此処にちゃんと居るから。

(今はゆっくりおやすみ、と額に唇を寄せた)
寝言で名前を呼ぶ