しんしんと降る雪の中、鬼から流れ出た血とほんの僅かに私が流した血が真白い雪に零れる。
傷は浅いが、場所が悪く刀を握れない。

全てを清め流す水飛沫に、崩れ落ちる鬼の体。
スタスタ足早にこちらに来た義勇さんは私の負傷箇所を見て溜息をつく。

これを持っておけ。

投げ渡された袋を何とか受け止める。
藤の花の香りが未だ漂っていた生臭い匂いを打ち消した。
実は稀血