お、っと……。
やけに固い何かと衝突し、鼻先がじんじんする。
衝撃で仰け反った私の腰に一般人とは異なる腕が回されるも、支えてくれている男性の顔に見覚えはない。
強いて言うならば声が──。
(宇髄さん、ですか?)
おう、確かお前は〇〇つったか。
どこか痛い所はねェか。
お気遣いありがとうございますと伝えて改めて宇髄さんを見詰める。
中の髪はこうなっていたのか。奥さんが三人も居る人は特別何も施していなくとも美丈夫だと思って見続けていると大きい手で髪をかき乱された。
お前にはアイツが居ンだろうが。あんまジロジロ見てると誤解されっぞ。
あいつ?誤解?
瞬きを数回している間に手は離れ、音柱に恥じぬ速さで宇髄さんは離れていった。
宇髄天元