……今夜は一際月が綺麗だ。

記憶のないわたしが唯一、所持していた刀も月光を反射し鈍い光を放っている。


行くぞとこちらを振り向いた着物の男──否、鬼に頷き、わたしはを鞘に収めた。
地獄へようこそ