……少しそこで待っていろ。

(喉奥からこみ上げてくるものを懸命に堪え、頷くと義勇さんは姿を消してしまった。
不在のうちに茂みに駆け込んで"これ"を吐き出した方が良いのかもしれない……と考え始めた矢先に現れた義勇さんの手には竹筒が握られている。)

近くを流れていた川で汲んできた。
気持ちが悪いのなら我慢せず、出してしまえ。
俺の手前だからと気にする必要は無い。


(背中を摩る手は優しい……少しゆっくりしたお陰で幾分か気が楽になった気がする)
乗り物酔いした