(お腹が空いてきたので近くの食事処に立ち寄ったが、時間が悪かったようでどこも満席だ!
切なそうに鳴くお腹を撫でていると一風変わった髪色をした男の子と目が合った)

……相席でいいなら座れよ。

(ありがとう玄弥君!)


玄弥の目が大きく見開かれる。
刀鍛冶の里で炭治郎と打ち解けた彼は少年から〇〇の話を、幾度か聞いていた。

聞いた所で顔を合わせた事もなければ、まともに言葉も交わした事の無い間柄。
ただの知識として脳の片隅においやっていたそれを引っ張り出しながら、改めて自身より一回り以上小さい少女をみやる。
炭治郎から名を又聞きし、一方的に知っていたから声を掛けただけだというのに〇〇は腰を落ち着け、大層嬉しそうにしている。

不死川玄弥