俺の連れに何の用だ。
今まで聞いたこともないような、恐ろしく冷めた声に私まで身震いしてしまう。
それは男も同じだったようでたじろぎ手を離した隙に背中に私を隠した義勇さんの顔がどうなっているのか、全く分からない。
今すぐ失せろ。
俺は今、虫の居所が悪い。
へっぴり腰で逃げて行った男に白い目を向け、義勇さんは私と目線を合わせるように屈んだ。
手間取ったばかりに〇〇に怖い思いをさせて、すまなかった。
(大丈夫です。義勇さんは絶対来てくれると信じていましたから)
怖くなかったと言えば真っ赤な嘘だ。今も膝は震えているし、きっと笑顔もぎこちない。
それを分かった上で義勇さんは私の頭を撫で、追及して来ないのだから本当に優しい人だ。
ナンパされる