明かりは──ついている。
しかしつけたまま眠りについてしまった可能性もなくはないので、戸の前で炭治郎の気配を探る。

この匂いは〇〇だろう。
こんな時間に外に居たら体を冷やすし、入っておいで。


失礼しますと声を掛けてお邪魔すると、筆を置いた炭治郎から優しく微笑みかけられた。

表情が強ばってる。嫌な夢を見て、眠りたくないと思ってる……当たりかな?

(大正解です……炭治郎の顔を見たら落ち着けるかと思って)

気持ちは落ち着いたか?
まだならもう少しゆっくりしていけばいい。


羽織を掛けられ、横たわらせられる。
嫌な夢の内容を何も言わず聞いてくれる炭治郎の優しさに、自然と瞼が落ちてくる。
翌朝目が覚めると、自分の部屋で眠っていた。
運んでくれた炭治郎に後で感謝しなくては。
ゆっくりおやすみ