──そもそも義勇さんの思わせぶりな所が良くない。

その気がないなら冷たく接してくれたらいいのに、中途半端に優しくされると辛い。……もしかしたら、と淡い期待を抱いてしまう。


空になった徳利が所狭しと並んでいる。
徳利の淵が二重に見えてきたあたりで義勇さんへの文句を肴に随分と飲んでしまったと、やけに冷静になってくる。

愚痴を聞いてくれていた利発な鴉もさっきどこかへ飛んでいってしまったし、ここでふて寝を決め込んでしまおうと畳に背中を預けた。

やけ酒する