(何とか羽織の端を掴むと、義勇さんは足を止めてくれた。
この人はこんなに早く、歩くのか!!)

妙な奴に付けられていると思い、撒こうと思っていた。
さっきのあの声の掛け方は何だ。
この程度で息を切らしていてどうする。


(体力増強、が、頑張りまっ……す)

付け回していたのが顔見知りならば話は別だ。
今は呼吸を整える事を最優先に考えろ。
話は後程聞く。


(落ち着くまで背中を撫でてくれていた)
ま、待って下さい!ぎっ、ゆうさん