鬼殺隊かれの仕事はわたしを殺すことなのに。
ずっと泣き続けてばかだなぁ、いくらでも機会はあったのに。

地平線の彼方から綺麗な眩しい太陽が昇ろうとしている。
目を見開き、わたしに覆いかぶさるように抱き寄せた炭治郎おとこのこの耳に唇を寄せかけて、止める。

(わたしの、くびをきって)
……いいや駄目だ。
これ以上この子に重荷を背負わせてはならない。

〇〇大丈夫だ!禰豆子の時みたいに俺が、俺が……!!


たすけるなんて言わなくていいよ、とすっかり冷えきった唇で彼の口を塞ぐ。
あの子たんじろうは最期まで泣き顔だったなぁ。
脳内で彼の笑顔を思い浮かべて、今度こそ瞼を閉じた。

(ありがとうさようなら大切なひと)
それでは来世