鬼から熱烈に好かれ、〇〇当人もさぞ困っている事だろう。

鴉から届けられた文の内容に義勇は眉を寄せる。
自分を含め多くの人間の心を瞬く間に開かせ、打ち解けてしまう。
──そういう〇〇の善良な人柄は鬼すら寄せ付けてしまうのか。

〇〇から取り付けてもらったであろう、装飾を自慢げに見せつけてくる鴉の頭を撫でながら頼めるかと文と手荷物を預ける。

任せろと言わんばかりにひと鳴きして羽ばたいていく鴉を見送り、すっかり温くなった緑茶に口をつけた。

お守り