……口を開けばいつも〇〇は姉さんの事ばかり。
〇〇と違って僕達は陽の光に当たらなければ死なないし、傷だってすぐ治るんだから別にいいでしょ。


(家族みんなで笑顔で仲良くしてる所が見たいだけなんだけどな……)

バツの悪そうにあやとりをしていた累から深い溜め息が漏れる。
糸を断ち切り、何もなくなった累の真っ白な手に誘われるがまま距離を詰めると顎骨に手が添えられた。

〇〇がそれを望むなら、これから気を付ける。
だからもう少しだけ僕の事も見て?
いくら鬼だからって女の子の、それも顔を傷つけたりしちゃ駄目でしょう?