(何故かあちらは私の事を気に入っているようでして……)

……気にするな。
あの場にいる誰から見てもお前が困っていたのは……明らかだ。

あいつの事で何か困ったことがあれば……力になろう。


ゆらゆら揺れる長い髪を見つめながらはい!と返事をすると一度こちらを向き直って、肩を叩かれた。
黒死牟様が少し、笑った気がする。

黒死牟様、後で稽古を付けていただけませんか。
……申し訳ございません、黒死牟様。