私が沢山殺すと無惨様は頭を優しく撫でて、賞賛の言葉を掛けて下さる。
──その姿が時折、誰かと重なる時がある。

これは私が人であった時の記憶だろうか?
聞いている者の心を落ち着かせる穏やかでいて、優しい声色。

顔色が優れないな。疲れたか?

(無惨様を見ていると……いえ、何もございません)

〇〇……僕の自慢の…………だ。

脳内に響く声を振り払うように何度も頭を振った。
(嗚呼…無惨様にお仕えできて幸せ…)