……まさか助けが来るとでも思ってる?

思考を見抜かれた少女の瞳が分かりやすく、揺れる。
やや間を置いて否定の言葉を吐き出すとバツ悪そうに床に視線を落とし、黙り込んでしまった。

柱でも何でもない、ただの鬼狩りでしょ。
そんな人間が欠けた所で誰も困りはしない。たかが一人の為に屍の山を作るとでも思っているの?


頬に手をやり、目線を合わせた先には涙に潤んだ瞳があって言いも知れぬ感覚に背中が粟立つのを感じた。
(きっと誰かが助けに来てくれる…それまでの辛抱だ…)