(任務が終わり霞柱邸に帰ってきたものの、ざんばらに短くなった髪を師範に見られたくなくて二の足を踏んでしまう。)
(怪我もせず鬼を倒すことは出来たが、相手の攻撃が掠ってしまい髪を切られてしまったのだ。)
(自分で整えようとも思ったが、後ろ側が自分では上手く出来ず、軽く括ったままにしてある。)
(鏡がないので分からないが、短くなった部分が髪留めからぱらぱらと零れていて、きっと酷い有様だろう。)
(よく考えたら、蝶屋敷に寄って整えてもらえばよかった。)
(無意識に真っ直ぐ帰ってきてしまったが、あそこなら皆器用だし、この酷い髪型も綺麗にしてくれるだろう。)
(そうだ、そうしよう。)
(こんなみっともない姿を師範に見られるよりもずっといい。)
(そう思い、くるりと身を返した時だった。)
………○○?
帰ってたなら早く入っておいでよ。
!? ちょっと、どうしたのその髪!!
怪我は!?!
(あぁ、見つかってしまった。)
(こんな可愛く無い、みっともない姿見られたく無かったのに。)
(恥ずかしくて振り向けもせず俯いていると、返事がないことを心配した師範が私の腕を引いた。)
ねぇ、どこか痛むの!?
とりあえず中で休んでよ。
怪我も酷いようならしのぶさんの所に連絡するから。
み、見ないでください……