……そっか。


ごめん、普段はそんなこと言わないでって注意してるけど。

……今だけ、少しだけ抱きしめてもいい?

(頷く前に弱々しい力で引き寄せられ、肩口に顔を埋められる。)


鬼殺隊に入っている以上、自分が死ぬのも周りが死ぬのも、覚悟はしてるつもりだったんだけどなぁ。


(心なしか、私を抱きしめる師範の腕が震えている気がした。)
これは、「時透無一郎」というただ一人のためのものですから。